2025年度第1回JTFセミナー報告
日 時:2025年7月3日 (木)
開 催:Zoomウェビナー
テーマ:迷いをなくそう、英語の冠詞!
講演者:遠田 和子(えんだ かずこ)英訳者・ライター
<登壇者のプロフィール>
青山学院大学文学部英米文学科卒業。在学中に米国パシフィック大学に一年留学。 大学卒業後、大手電機会社で勤務。 その後フリーランスとして独立し、長年にわたり日英翻訳に取り組む。分野は技術から出版翻訳まで多岐にわたる。 翻訳の傍ら、翻訳学校講師および英語プレゼンテーションの企業研修講師を務める。英文ライティングに関する学習本・記事の執筆にも取り組む。
英語の冠詞を取り上げた著書には『フローチャートでわかる英語の冠詞』と『英語冠詞ドリル」がある。その他の著書に『究極の英語ライティング』、『インクルーシブな英語--多様性の時代に偏見・差別を生まない表現』(全て研究社)などがある。
参加者数:130人
概 要:
冠詞を正しく使うには、英語の世界観を理解し適切な手順で選ぶアプローチが必要。たとえばモノを「数えられる」と「数えられない」の二大カテゴリーに分ける英語では、名詞のcountable [C]とuncountable [U]を見極めるステップが欠かせない。また定冠詞theはコミュニケーション相手との共通認識が基盤にある。ただし理屈では「わかった」つもりでも実際には慣用表現も多く、私たちは英文を前に「aかtheか・・・」と迷ってしまう。迷いを減らすには「なぜここではa(またはthe、無冠詞)なのか」を考え、各冠詞の意味を一つ一つ確かめるのが大切。本セミナーでは演習問題を多数用意し、聴講中に取り組んでいただく。特に、翻訳者でも冠詞の扱いを迷う例を、ウェブ記事など身近なリソースから多く取り上げる。2021年のJTFセミナーでは理論に重きを置いたが、今回は実践的な演習の比重を大きくする予定。
<講演のポイント>
- 英語の「ものの見方」
- CからU,UからCへの変化と「境目」の概念
- 「aかtheか無冠詞か」を迷う事例
- 意外なa/theの使い方
- 覚えるしかない(?)慣用表現
- すべては文脈次第
- 修飾句による限定の度合い(theの要否)
- 総称の表現
<参加者のアンケートより>
- たくさんの図解を用意していただき、楽しく受講できました。
- ネイティブ翻訳者による訳文をレビューする際、またクライアントより冠詞に関する質問を受けた際に活かせる有用な内容のご講演でした。