日本翻訳連盟(JTF)

ISO規格の最新動向

ISO TC37/SC5ストラスブール総会参加報告

2. ISO規格のWG2(通訳)・WG3(通訳機器)の最新動向

今回のストラスブール総会については、残念ながら「JTF内ISO検討委員会」通訳部会としては参加しておりません。以下に昨年度のJTFジャーナルに掲載しましたWG2(通訳)とWG3(通訳機器)の下記テーブルを確認しながら、話を進めさせていただきます。

通訳部会(WG 2)と通訳機器(WG 3)の規格について

「JTF内ISO検討委員会」通訳部会として、特に関係するISO規格について取り上げ、昨年から今年までのWG 2、WG 3で扱っている規格について、それぞれの特色や傾向について簡潔に報告させていただきます。

2024年、2025年は、WG 2(Interpreting)、WG 3 (Facilities and equipment for interpreting services)は、共に過去に発行した規格の定期な見直しの時期と重なっていることが大きな特色になっています。

以下に、WG 2、WG 3ごとのそれぞれの規格内容と特色について報告させていただきます。

通訳 ISO/TC 37/SC 5/WG 2 Interpreting

ISO 18841:2018 Interpreting services- General requirements and recommendations

が現在進行中です。この規格は2018年に発行し、現在5年見直しの時期となり、見直しを進めているところです。会議通訳を含めた“通訳全般”に共通する条項の修正、追加等を議論しています。よって、通訳の基本となる内容のため、非常に重要な規格となっています。特に今回の改訂の趣旨は、コロナ禍以降、急速に世界に浸透している「遠隔通訳」を、この見直しの規格に盛り込むことが、重要なポイントとなっています。現在DISの段階まで進んでいるところです。

この規格以外にもWG2では、司法通訳(ISO/DIS20228)や医療通訳(ISO21998:2020)が5年見直しのタイミングで議論が進められていますが、この2つの規格については、「JTF内ISO検討委員会」通訳部会では取り扱わないことで、部内で合意しているため、この2つの規格が進行していることのみ、ご報告させていただきます。

今後の予定としては、ISO 23155:2022 Interpreting services- Conference interpreting ―Requirements and recommendations が、1年後には5年見直しの時期となる予定です。

通訳機器 ISO/TC 37/SC 5/WG 3  Facilities and equipment for interpreting services

現在、通訳機器については、2024、2025、2026年の間で、5件のうち、4件がすでに発行済となっています。

ISO 17651-1:2024  Simultaneous interpreting — Interpreters’ working environment — Part 1: Requirements and recommendations for permanent booths

ISO 17651-2:2024  Simultaneous interpreting — Interpreters’ working environment — Part 2: Requirements and recommendations for mobile boothsの2点は2024年に発行し、

ISO 20109:2025:Simultaneous interpreting — Equipment―Requirementsは2025年に発行しています。

またISO/FDIS 17651-3:2026(通訳ハブ)Simultaneous interpreting — Interpreters’ working environment― Part 3: Requirements and recommendations for interpreting hubsは、2026年に発行しました。

以下の規格については、これから最終段階に進んでいく予定です

ISO/FDIS 17651-4 Simultaneous interpreting — Interpreters’ working environment — Part 4: Requirements and recommendations for signed language interpretingは、ストラスブール総会での議論の末、FDIS段階に進めていくことで合意しています。

ISO/FDIS17651-4(手話通訳)については、昨年5月の高松会議に私も参加し、現場で感じたことを、JTFジャーナルでも述べましたが、少なくともヨーロッパでは、聴覚障害者や手話通訳者,会議通訳者が協力しながら、一つの会議(遠隔会議を含めて)の中で、円滑なコミュニケーションをはかるための様々な工夫がされている印象を持ちました。本規格には、日本からも国際的に活躍されている手話通訳者にも参加していただき、この規格の作成に尽力いただいています。

現在、この規格は、昨年のDISの段階からFDISまで進んでいます。規格発行まで、あと一歩の段階にまで進んでいるところです。

以上 WG2とWG3に関するISO関連の情報をご報告させていただきました。

なお、以下のISOのURLには、ISO/TC37/SC5/WG1,23に関連するISO情報を検索いただけますので、どなたでもご興味のある方は、自由にご覧ください。
https://www.iso.org/committee/654486.html

◎報告者
株式会社コングレ・グローバルコミュニケーションズ 代表取締役社長
村下 義男

日本翻訳連盟「JTF内ISO検討委員会」メンバー
2010年より(株)コングレの通訳部・翻訳部門責任者。その後2013年より、(株)コングレ・グローバルコミュニケーションズに出向。2017年7月より現職。2015年よりJTFのISO検討委員会・通訳部会委員として参加。
TC 37 SC 5 国内委員

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